こんにちは、うるはです。
テストの前になると、必ずニキビができる。友達とうまくいかなかった翌日に、なぜか肌がガサガサになっている――そんな経験、ありませんか。
「気のせいでしょ」「思春期だから仕方ないよ」。
周りにそう言われると、自分でもそうかなと思ってしまうんですが、わたしはあるとき調べてみて、ちょっと驚きました。ストレスと肌荒れのあいだには、ちゃんとした仕組みがある、ということがわかったからです。
今日はその仕組みについて、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。
「コルチゾール」という名前を覚えておいてほしい
ストレスを感じたとき、わたしたちの体の中ではいろいろなホルモンが出ています。そのなかで、肌に影響を与えることがわかってきているのが「コルチゾール」というホルモンです。
コルチゾールは、腎臓の上にある「副腎」という小さな器官から分泌されます。もともとは体を危険から守るために働くホルモンで、心拍を上げたりエネルギーを回したりする「緊急モード」のスイッチのようなものです。
短い期間のストレスであれば、コルチゾールは体を助けてくれる味方なんです。
でも、テスト期間が何日も続いたり、人間関係で長くモヤモヤしたり。ストレスが慢性的に続くと、コルチゾールが出すぎる状態になってしまう。そうなると、体のさまざまな場所に影響が出てくると考えられていて、肌もその標的のひとつです。
具体的には、コルチゾールは肌の「防御ライン」を3つの経路で崩していくと言われています。ひとつずつ見ていきますね。
防御ライン①:皮脂が増える ― テカリやニキビの裏側
ストレスが続くとコルチゾールの影響で、皮脂腺が活性化すると考えられています。皮脂腺というのは、毛穴のそばにある小さな組織で、肌の表面を覆う油分(皮脂)を作っているところです。
皮脂は本来、肌を外界から守るためのうるおいのヴェールのようなもの。でも、ストレスで過剰に分泌されると話が変わってきます。
- 余分な皮脂が毛穴を詰まらせる
- 詰まった毛穴の中で、アクネ菌が増えやすい環境ができる
- その結果として、ニキビやテカリにつながりやすくなる
「テスト前になるとTゾーンがテカる」「ストレスがたまると、あごのあたりにニキビができる」。
そういう体感は、このメカニズムが一因になっている可能性があります。わたしも仕事が立て込んだ週末にフェイスラインに吹き出物が出ることがあって、あとから振り返ると「あ、あの週はずっと緊張していたな」と思い当たることが何度かありました。
ニキビと保湿の関係については別の記事でも詳しくお話ししています(→「ニキビ肌でも保湿は必要 ― 「乾かす」から「うるおす」への転換」)。
防御ライン②:バリアが薄くなる ― 乾燥やかゆみが増える理由
肌には「バリア機能」と呼ばれる仕組みがあります。角質層の中で、角質細胞がレンガのように積み重なり、そのすき間を「細胞間脂質」がセメントのように埋めている構造です。
この構造が整っているとき、肌は内側の水分を逃がさず、外からの刺激もはね返すことができます。
ところが、コルチゾールが慢性的に高い状態が続くと、細胞間脂質の産生が低下すると考えられています。セメントの量が減ってしまうようなイメージです。
そうなると、レンガ(角質細胞)のすき間から水分が逃げやすくなります。この「肌から水分が蒸発していく量」のことを、スキンケアの世界ではTEWL(経皮水分蒸散量)と呼ぶことがあります。
TEWLが上がった状態は、言い換えればバリアに穴が空いている状態です。
- いつもの化粧水がしみる
- ストレスが続くと肌がカサカサになる
- 保湿してもすぐに乾く感じがする
こういった実感の裏側には、コルチゾールによるバリア機能の低下が関わっている可能性があるんです。
防御ライン③:炎症スイッチが入る ― 赤みや肌荒れが長引く理由
3つ目の経路は、少しやっかいな話です。
コルチゾールが過剰に分泌される状態が続くと、体内で炎症を引き起こすシグナルが活性化しやすくなると言われています。このシグナル(炎症性サイトカインと呼ばれる物質)が肌にまで影響すると、ちょっとした刺激でも赤みが出やすくなったり、荒れた肌がなかなか回復しなかったりする状態につながると考えられています。
つまり、①で皮脂が増えてニキビができやすくなり、②でバリアが弱って刺激に敏感になり、③でそのトラブルが長引きやすくなる。
3つの防御ラインが同時に崩されることで、ストレスがたまった時期に肌の調子が一気に悪くなる、ということが起きうるわけです。
ただし、ここで大事なのは、コルチゾールは肌荒れの「原因のすべて」ではなく、寄与する要因のひとつだということ。肌の状態には食事や睡眠、もともとの肌質、スキンケアの習慣など、さまざまなことが複合的に関わっています。
「ストレスさえなくなれば肌が治る」という単純な話ではないんです。
「ストレスをなくす」は無理。でも、保湿で守れるラインがある
ここまで読んで、「じゃあストレスをなくすしかないの?」と思った方もいるかもしれません。
正直に言ってしまうと、ストレスをゼロにするのは現実的ではないと、わたしは思っています。テストはなくならないし、人間関係は選べないことも多い。仕事のプレッシャーだって、大人になっても続きます。
でも、スキンケアでできることがひとつあります。
それは、②の「バリア機能の低下」に対して、保湿という防御線を張ることです。
コルチゾールによって細胞間脂質の産生が落ちているなら、外から保湿でうるおいを補ってあげる。水分が逃げやすくなっているなら、保湿剤で蓋をしてあげる。ストレスそのものは止められなくても、肌の被害を最小限に抑える「守り」は、スキンケアの手の届く範囲にあるんです。
具体的に心がけてみてほしいことを挙げてみます。
精神的にきつい時期ほど、保湿は丁寧に
- 化粧水→美容液→乳液の重ね順を省略しない(なぜこの順番なのかは→「スキンケアの「重ね順」に根拠はある?」)
- 「今日はしんどいからスキンケア適当でいいや」を、できるだけ避ける
- 肌がヒリヒリする日は、スクラブなど物理的な刺激は休む
「攻める」より「守る」の日を作る
- ストレスで肌が敏感になっているときは、新しいコスメを試さない
- いつも使い慣れたもので、シンプルに保湿だけに集中する
- お風呂あがりはなるべく早く保湿(バリアが薄い日は特に)
ストレスの種類が違っても、保湿でバリアを補う、という方針は共通です。都市の環境ストレスについて触れた記事(→「都市の「環境ストレス」を保湿設計に織り込む」)と合わせて読んでもらうと、外からのストレスと内からのストレス、両方への備えが見えてくると思います。
毎日の保湿の底上げとして:みんなの肌潤糖〜クリアタイプ〜
バリア機能が揺らぎやすい時期の「毎日の保湿の土台」として、北の快適工房の「みんなの肌潤糖〜クリアタイプ〜」を紹介しておきます。
主原料はてん菜糖というお砂糖で、洗顔後・化粧水の前に使う導入ケアの位置づけです。ストレスで肌が敏感になっているときでも、手間をかけずに毎日続けやすい、という点がいいところだと思っています。詳しくは→「みんなの肌潤糖 ― お砂糖の保湿力を活かしたスキンケア」
まとめ ― 肌が荒れたとき、自分を責めなくていい
ストレスで肌が荒れるのは、気のせいでも、思春期だからでもありません。
コルチゾールというストレスホルモンが、肌の防御ラインを3つの経路で揺さぶっている。
- ①皮脂が増える → テカリ、ニキビ
- ②バリアが薄くなる → 乾燥、かゆみ、刺激に敏感
- ③炎症スイッチが入る → 肌荒れが長引く
「ストレスをなくす」のは難しいけれど、保湿でバリアを守ることは今日からできます。精神的にきつい時期こそ、スキンケアを雑にしないこと。それだけで、肌の受けるダメージは変わってくるかもしれません。
「自分のケアが悪いんじゃないか」と自分を責める前に、「今、ストレスが多いんだ」と気づいてあげること。それも、肌と向き合うひとつの方法だと思います。
体の内側からのケアについて、もう少し深掘りしたい方は、睡眠と肌再生の話、腸活と肌の関係の記事も読んでみてください。ストレス・睡眠・腸内環境。体の内側から肌を守る知識が、少しずつつながってくるはずです。
肌の赤みやかゆみが長く続く場合、突然の強い炎症が出た場合は、自己判断でケアを続けるより皮膚科を受診することをおすすめします。新しいコスメや手作りレシピを試す際は、必ずパッチテスト(腕の内側に少量をつけて様子を見ること)を行ってください。
ご注意:
– 本記事の内容は一般的な情報として紹介しています。肌の状態には個人差があります。
– 肌に合わないと感じたときや、赤み・かゆみ・炎症が出たときは、使用を中止して皮膚科に相談してください。


